キャンプ場の消灯時間を考える

キャンプの楽しさは自分次第

自らキャンプ場に赴き、自分の手でテントやタープを張る。自ら調理して腹を満たす。あらかじめ確保しておいた寝床で睡眠をとる。

ようは日常生活と同様のことを、自宅ではなくキャンプ場という屋外で行うことで、その非日常性を楽しむことがキャンプの醍醐味。

だから楽しさもそうでない場合も、基本的には自分の行動や考え方次第。

もし諸々うまくいかなかった場合、確かに険悪なムードになったり、機嫌が悪くなったりすることはあるだろう。でも後々それらのうまくいかなかった出来事は、いい思い出として心に刻まれることになることが多い気がする。

自分ではない場合がやっかいだ

自分や家族が原因なら飲み込んでしまえばなんとかなる。同行している友達が原因を作ったとしても、よほどのことじゃない限り流せることがほとんどだろう。

ところが第三者が原因の場合、なかなか大変。しかもちょくちょくそういった場面に出くわすことがあるからやっかいだよなぁ。

公共の場ということを忘れずに

キャンプ場って様々な人々が集まってくる場所だ。オートキャンプ場のように自分の場所があてがわれていたとしても、所詮は広場の一部なのでそぐわないことをやっていれば周りのキャンパーから見られるし、聞かれる。

そう聞かれる。

ちょっと離れていても音は届く。特にあたりが静かになる夜は、びっくりするほど音が周りに届いてしまう。酒が入って楽しくなれば声も大きくなるだろう。もちろん理解はできる。

だけどキャンプ場も公共の場所だ、常識やルールがあることを忘れるとトラブルの元になる。

先日起こったこと

ソロキャンプにいった時のことだ。

初めていくキャンプ場で、何かとワクワクして楽しい時間を過ごしていた。すごく狭いキャンプ場なので、全てのサイトが見渡すことができるほどだ。

全ての設営を終わらせ、ゆっくりまったりしているとちょっと気になったことがあった。僕のサイトから最も近いサイトのキャンパーの流す音楽がすごく大きかった。すぐ隣のサイトではなくいくつかからのサイトを挟んだ位置に陣取っていた彼らの流す音楽、はっきりとアーティストと曲名がわかるほどの音量だった。

まだ明るいうちだったからまあしょうがないかとしばらくそのままだったけれど、ここまで来て他人の流す音楽を聞かされるのもなんだかなぁと思い、ボリュームを下げてもらうようお願いした。

すると彼らもすんなりとボリュームを下げてくれた。

夜が深くなる

あたりが薄暗くなる前に焚き火をはじめ、楽しみな夕食を調理し始めた。そうやってあれこれやっていると、当然のごとくお隣の音楽もあまり気にならない。

焚き火の火を育てていれば、リラックスしながらも自分の世界に入っていくのか、自分の周りには闇と静寂しかないような気になる。

このキャンプ場には温泉がある。それがこのキャンプ場を選んだ理由の一つだ。この日は21時で終了と聞いていたので20時半までに焚き火を完全に終わらせて、少々ワイルドな露天を楽しんで21時には自分のサイトに戻って来た。

静寂のはず…

夜はさすがに冷え込むのでフジカハイペットに火を入れて、寝袋に潜り込むまでの時間をゆっくりと楽しんでいた。

そろそろ22時だ。ぼちぼち消灯時間だ。

そう思った僕はテント内で静かに過ごしていたのだが、隣のキャンパーは相変わらず焚き火をしランタンの灯りは煌々と輝いている。酒が入っているのだろう、喋り声も大きいし、相変わらず音楽も流れている。

規則じゃないけどね

さすがにもう少しすれば静かになるだろうと思い、寝袋に潜り込んだ。だけど一向に静かになる気配はない。

確かにこのキャンプ場では22時消灯という規則もルールも明言されていない。だから彼らの行動を制限させるものはないんだけど、キャンプ場での一般常識ってあるんじゃないかなーと考えながら目を閉じていた。

そう、22時消灯ってキャンプ場における常識なんじゃないのかなぁ〜という思いとともに、寝袋は僕の体温を奪ってふんわりと膨らみ、何があっても出たくないと思わせる暖かさ。この暖かさが外に出て彼らに注意させることを完全に拒みましたな(笑

23時45分

結局あたりが静かになったのは日付が変わる15分前。それまで一睡もできず寝袋の中でうるさいなーと思うも、暖かく快適な寝袋の中で目を閉じ続けた。

その後あっという間に眠りに落ちたけど、今でもあんな状況の時はどうしたもんかなと思うことしきり。

最後に

せっかくの非日常を楽しむべくキャンプ場に来る。そんな時、彼らは文句を言われたり注意されたくないのは十分理解できる。こっちだってそんなことしたくない。さらに明確なルールがないので、彼らのやっていることを非難しにくい。

あるのは持っているだろうと願うばかりの常識と呼ばれるもの。

管理人が在中しているキャンプ場であれば、常識を逸脱していると報告することで改善する可能性が高いけれど、そうでなければ酒が入った人たちに自ら注意するのはやはりためらわれる。トラブルに巻き込まれる可能性もあるしね。

キャンプ=自由な時間であることは間違いないけれど、ルールや常識ってものが存在することもまた事実。

みんなが楽しく快適に過ごせるように、自らの行動を省みないといけないよね。