秋冬キャンプの夜露・結露対策はやはりポリコットンテント?

気温が下がるとやってくる

徐々に夏の暑さが弱まり、標高の高いキャンプ場の朝晩が冷え込んでくる10月あたりは、いよいよ本格的キャンプシーズンの始まりだとワクワクする。

焚き火を育てるのも暖をとるのも当然ながら楽しい。幕内でストーブを焚いてぬくぬくお座敷スタイルで楽しんでいるキャンパーも多いはず。

ところがそうやって気温が下がってくるにつれて、厄介なあいつがやってくる。そう、テント内外の夜露と結露だ。

夜露・結露のメカニズム

夜露

夜露とは空気中に含まれている水分が気温低下などにより水滴になったものですな。この気温低下というのは寒い時期によく聞く放射冷却という現象がもたらすことが多いように感じる。

そしてこの放射冷却による急激な気温低下が、空気中の水分を水滴に変えテントの外側やタープに付着する。

結露

一方結露はテントの内側が濡れて水滴がつくことだ。

気温が高い夏に冷たい飲み物をコップに入れておけば、その温度差によって水滴がついてくる。冬の寒い朝に窓ガラスががっつり濡れているあれだ。

寒くなって幕内でストーブを焚くなどして気温が上がれば、外との温度差が大きくなり結露する。小さいテントでは体温とその体温を保持しているシュラフの熱で結露する。

夜露・結露がもたらすもの

残念ながら濡れたテントってのは何一ついいことがない。
特に以下については本当に悩ましいんだよなぁ。

ドタバタチェックアウト

テントやタープが濡れて、さらにシュラフ等も濡れてしまうと後片付けにびっくりするほど時間がかかってしまう。タオルを何度も絞りながら全体を拭きあげながら乾かすのは、なかなかの重労働だ。

結果通常の何倍もの片付け時間が必要になり、チェックアウトギリギリまで慌てることになることも。

カビ

たとえ時間がかかってもサイトでテントやタープの完全乾燥ができればいいけれど、天気が優れない場合など幕を完全に乾かすことなくバッグに収納、持ち帰らなければいけないことも。

濡れた素材がバッグにぎゅうぎゅうと押し込まれてそのまま放置。そしていざ次に使おうと広げた時に目にするのがカビだ。さてキャンプ!と思ってテントを設営したらカビだらけだったなんてのは、さすがにちょっとうれしくないよね。

ポリコットンテントのすごさ

僕の勝手な印象だけど、ベテランキャンパーになるとポリコットンを含め、天然素材である綿が使用されたテントを使用している気がする。

これって色々使って夜露・結露対策を含め様々な利点があることでたどり着いたものではないかと。ということで多くのテントで使用されている、結露しにくいとされるポリコットンという素材について考えてみた。

通気性

化学繊維に比べると通気性があり、夏でも化繊幕より涼しく、最大の特徴として結露しにくいということをよく聞く。綿は自然素材ということもあり、どうしても完全に空気を遮断することが難しい。そこが逆に結露対策の有効打である通気性に繋がっているんだろうね。

断熱性

綿という素材は繊維の中に多くの空洞を有しているため、この空気が断熱材の役割をするというもの。もちろんこの空気の層は微々たるものなんだろうけど、ポリコットンのテントは暖かいという声はよく聞くので、実際高い断熱性を持っているんだろうなぁ。

燃えにくい

これも綿の大きな特徴だね。特にタープにポリコットンが使用されていると焚き火可能ってうたうこともあるくらい、難燃性の高い素材だね。

テンティピのポリコットンテントに至ってはモノポールテント内で焚き火可能らしいしね!

ちょっと気になる点

通気性がいいのに断熱性がある?

ここでちょっと疑問なんだけど、通気性と断熱性の両立ってどうやって実現されているんだろう?

例えばゴアテックスに代表される合成繊維は、防水かつ内部の熱を逃すといった機能が与えられた素材。初めて聞いた時はなんだかすごいなぁ〜と感心したのを覚えている。ただ水分と空気の分子サイズってかなりサイズの差があるらしいので、なんとなく理解はできる。

だけど通気性も断熱性も空気だよね?通気性がよければ内部に溜まった暖かい空気も外に排出されるのでは?などと素人は考えてしまうのだが、実際のところどうなんだろう?

とはいえポリコットンは結露しにくく暖かいという声はよく聞くので、そのメカニズムを知りたいなぁ〜

水分しみ込むと綿はなかなか乾かないよね?

通気性がよくて結露しにくいとはいえ、全く濡れないわけではなくやはり濡れてしまうと思う。さらに綿は水をよく吸い込む。

ということは水をしみ込まない化繊に比べて、水を吸い込んでしまうポリコットンって濡れると乾きにくいのでは?洗濯後の綿100%のシャツよりユニクロのヒートテックの方が乾きやすいよね?

ところがポリコットンの幕は乾きやすいと聞く…特に換気をすればさらに。

どうなってんだろう?

濡れたら通気性は弱まるのでは?

ポリコットンは化学繊維の幕より防水性能は劣るが、それなりの性能は有していると聞く。これは綿が濡れると膨張し、織られた繊維同士がより密着し防水性能が強まるというもの。

ということはポリコットンの幕って一旦濡れるとガクンと通気性が悪くなって、その後結露しやすくなったりするのかなぁ?

カビやすく汚れやすい?

素晴らしい利点があれど、大変なこともあると聞く。それがカビやすいということ。

天然素材である綿の使用率が高ければ高いほど、濡れた状態だと化繊のものよりカビやすいのは理解できる。さらには一旦カビが生えて放置すると、繊維の中まで入り込んでなかなか除去が難しいとも聞く。

草で擦れたり土の汚れもやはり取れにくいのかな?

最後に

上の気になる点は僕が個人的に感じる内容もあるので、実際は気にならずむしろ利点の方が強く使い勝手がよいものなんだろうな。じゃないとこれだけ多くのキャンパーがポリコットンのテントを使うてことないだろうしね。

やはり次の幕はポリコットン、そして自ら検証しろということなんだろうか…(笑

ページ最上部の画像 出典:NORDISK