もくじ
これまではずっとロースタイル
ここ数年はずーっとロースタイルで調理をしてきていたのだが、悪くはないにしてもちょっとしっくりこないと感じ始めていた。立って調理をする、伝統のハイスタイルでいこうかなと考え始めた頃、行きつけのアンティークショップで古いアイロン台を見つけ、衝動的に購入した。
その瞬間に今後のキッチンはこのアイロン台とそれに見合う高さのテーブルをDIYして、ハイスタイルで行こうと決まりました(笑
キッチンテーブルに望むもの
市販のキッチンテーブルやテーブルや個人でDIYされたものをあれこれチェックしてみたが、気になるのは天板の高さ。僕は靴を履けば身長が180cmを超えるので、天板が低いテーブルだと、腰をかがめて調理することとなり、かなり辛い。
なのでテーブルの高さは90cm以上というのが第一条件。
そして当然ながら車載スペースは限られているので、折りたたんだり分解してあまり大きなものにならないことが第二条件。
そんなことを考えていたら、やはりDIYしかないなという結論に。
ハイスタイルキッチンテーブルを自作してみる
キャンプ用のテーブルを作るにあたり、やはり肝となるのは脚をどのように天板と接続させるかだ。過去にはちゃぶ台等で使われる折れ脚金具を使ってローテーブルを作ったが、脚が長いテーブルだとあの金具だとどうだろう?という疑問があったので、別方法で考えることに。
それなりの長い間熟考した結果、丸棒を天板にねじ込む方法でいくこととした。というのもパーツを構成する木材がもっとも少なくできるはずという狙いから。ただし強度等は作ってみないとわからないので、出たとこ勝負全開のDIY(笑
基本設計
概要としては、天板に角材を取り付け、そこに埋め込んだ雌ネジ(鬼目ナット)に、先端に雄ねじ(ハンガーボルト)をつけた丸材をねじ込むというもの。四隅に丸い穴を開けた板を丸材の脚に通すことで脚のぐらつきを抑制しつつ、棚にもなる一石二鳥を目論む。
材料
テーブル
- 天板1枚(910 x 350 x 12mm)
- 角材2本(30 x 30 x 910mm)
- 丸材4本 (長さ860mm x φ25mm)
- 棚板1枚
- 鬼目ナット(雌ネジ)8個
- ハンガーボルト(雄ネジ)4本
- ダボ12本
- アジャスター4個
ツールハンガー
- 角材2本(15 x 15mm)
- ボルト2本
- 蝶ナット2個
- アルミ棒3本(φ5mm)
まずはこんな感じで始めました。
天板は購入時ホームセンターでセールになっていた赤松の集成材で、サイズは910 x 350 x 12mm(厚さ)を使用した。このような一枚板でもよいし、スノコのように小さな板を何枚も使用して裏で角材と木ねじで止めるのも全然ありだと思います。
組立手順
テーブルの組み立て
- 天板に角材を取り付ける
最も簡単なのは木ねじを使用する方法だ。天板から突き出ないよう長さを計算しよう。
僕は角材と天板にドリルで穴を開けて、ダボと木工用ボンドを使って固定する方法を使った。少々面倒だけど、木ねじの頭が見えないので、見た目がちょっとだけよい。
- 角材に鬼目ナットを埋め込む
端から3〜4cmのところにドリルで穴を開け、鬼目ナット(雌ネジ)を埋め込む。
ちなみに穴を垂直に空けるのに便利なのがガイド。これがあるとないとじゃ結果は大違いなので、ぜひ一つ持っておきたいツールだ。
フレンド 木ダボ用ドリルガイド 26325posted with カエレバ - 脚にハンガーボルトを埋め込む
脚に穴を開けてハンガーボルト(雄ネジ)を埋め込む。脚の両端はホームセンターの有料の大きな電動ノコ的なものでであえてカットしてもらった。なぜならこれを自分でノコギリで切ると、垂直がまずでない。テーブルを作る上で脚の垂直は何よりも大事なので、一応ね(笑
この時ナットを2個用意して締め込みを行います。なぜ2個のナット?と思われるかもですが、最初にはめるナットはストッパーの役目として、2個目はレンチで締め込む用です。完了したら2個共外して完了!
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脚の反対側に鬼目ナットを埋め込み、アジャスターをはめ込む
アジャスターの取り付けはオプション扱いでいいと思うけれど、キャンプサイトは真っ平らではないので、脚の長さを調整してガタツキをなくせるに越したことはないかなぁ。
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棚板に穴を開ける
脚の丸材の直径が25mmなので、25mmの穴を空けるのだが、あとで塗装する場合、塗料の種類のよっては厚さが生まれるので、空ける穴はちょっと大きめがいいかも。そして空ける穴の位置は脚の位置から1mmほど外側に。こうすることで脚がほんの僅かながら八の字になるので、より安定するかもという希望からそうしてみた。
- 脚にダボを埋め込む
まず天板のどこにどの脚をどの位置まで締め込むことをわかりやすくするために、マーキングする。
上のようにマーキングしてから、脚が内側を向く方向に穴を開けてダボを4本の脚に埋め込む。これが棚板のストッパーとなる。
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ひとまず形になった
ツールハンガーを取り付け
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角材に切り欠き加工を施し、穴を空ける
切り欠きは天板とそれに取り付けた角材合計の厚さ。深さは5mmほど。
同時に天板に取り付けた角材に穴を空け、ボルトを通して蝶ナットで止める。左右で穴の位置を上下にずらしたのは、折りたたんだ時にキレイに収まるように。
- 角材に空けた穴にアルミ棒を差込む
うち一本は両端を90度折り曲げる。こうすることで、万が一角材の片方が倒れることを防ぐため。
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ひとまずこんな感じ
常に揺れるテーブル
実際に組み立ててみて、テーブルに手を置いてみた。揺れる。かなりの横揺れっぷりだ。脚は棚板でまとめたので、それぞれがそれぞれの方向に揺れることはないはずだ。となると原因は天板と脚の付け根がぐらついているということだろう。
上の画像だと脚と脚の間に取り付けられている部材が脚の揺れ防止になっている。
ここで一旦作業を止めて、分解できる揺れ防止の機能について一晩考えてみた。
分解式揺れ防止
脚の揺れ防止のキモは、揺れ防止のパーツが2本の脚と天板の3点に接触していることなんだろうと解釈し、ベニヤ板を脚にネジ止めする方式とした。
材料
- 鬼目ナット12本
- 蝶ネジ12本
- ベニヤ板
そのためにまず脚に鬼目ナットを埋め込んだ。
そしてベニア板を蝶ナットで締め込む。ここでそれぞれの脚のねじ込み位置を明確にしていて助かった。この方法にしていたからこそ、今回の方法を採用することができた。でないとネジ穴の位置が合わず大変だったはず…
両サイドと背面に揺れ防止を施すことで、飛躍的に安定感が増した。これならこの上で包丁を使う作業を行ってもテーブルが揺れ続けることはないだろう(笑
塗装
塗料は以前のテーブル作成やランタンスタンド作成の時に使用した油性ニスだ。乾くのに時間はかかるし独特の匂いが取れるまでしばらくかかるけれど、やはり木を自ら守る能力はワックスよりも高いので使用している。
完成
紆余曲折あったけれど、ようやく完成した。
ツールスタンドもいい感じ。
自分の身長に合わせたテーブルはかなりいい感じ。このテーブルと一緒に使おうと考えていたビンテージのアイロン台とのマッチングもなかなかだ。
最後に
猛暑のお盆時期に屋外で作業したので、至る所でいい加減な作業・判断をしてしまい、かなり雑な作りにはなったが、それも含めて楽しいDIY。
ハイスタイルで調理する新しいやり方は、これからのキャンプが楽しみになるばかり。
ちなみに折りたためばこんな感じに。
これだけ薄くなってくれるのが設計時の大前提だったので、かなりあれこれ考えたが、結果に大満足。
ただ予定より蝶ネジの数が多くなってしまたので、組み立てには少々時間がかかってしまうけど、使うのは自分だし満足しているのでよいとしましょう。
やはり自分でギアを作ると愛着がわくし、誰とも被らない満足感がいいね〜!